« 韓国女子アイスホッケー、監督交代の謎? | トップページ | ポピュリズムに翻弄され、迷走する野球の韓国代表 »

2018年11月17日 (土)

韓国カー娘の立場を表す1枚の写真

 韓国女子カーリングのパワハラ問題は、ワイドショーなどでも大きく報じられたので、ご存知の方も多いだろう。

 15日に選手たちが行った会見では、賞金が彼女たちに渡っていない、彼女たちを分裂させるための圧力があった、さらには、ファンから彼女たちへの手紙やプレゼントも監督らに検閲されたといった内容が明かされた。メディアの取材には、大韓カーリング連盟副会長や、その娘である監督のことだけ話せという内容に至っては、勝った時は国家指導者の賛辞しか言わない、北朝鮮の選手のようですらある。

 韓国のスポーツではパワハラはよくあることで、慣れてはいるが、ため息が出る。

 ただ取材をしてきたわけではないものの、彼女たちは良い扱いを受けていないことは、何となく感じていた。それは、313日付の『東亜日報』に載った、1枚の写真を見たからだ。

Dscn0240
3月13日付の『東亜日報』。掲載写真の左側にカーリング女子の韓国代表選手がいる

 彼女たちは、ニンニクの生産地として知られる慶尚北道義城郡の出身で、「ニンニク少女」とも呼ばれていたが、「『ニンニク少女たちが帰ってきた』慶北お祭り騒ぎ」の見出しの記事では、カーリングの平昌五輪代表選手たちが、慶尚北道の道庁を訪問したことを報じている。その際、選手たちはサイン入りの盾を、知事や郡、所属する慶北体育会の幹部に渡したようだが、新聞に掲載された写真を見ると、目立っているのは盾を贈られた知事をはじめとするおっさんたちばかりで、本来主役であるはずの彼女たちは、左の隅に、辛うじて入り込んでいるだけだ。

 その場にいたわけではないので、ひょっとしたら、彼女たちをメインにした写真もあったかもしれない。となると、おっさんたちがメインの写真を掲載した、新聞社側の見識が問われる。

 年功序列や上下関係を重んじる韓国では、選手はどうしても低く見られがちだ。もちろんスポーツで結果を出すには、周囲の助けや理解が不可欠であるし、選手もそうした周囲の人には、感謝の気持ちは、当然持つべきだ。

 けれども、今回のパワハラの件に関しては、彼女たちを助けることよりも、利用することが前面に出過ぎている。

 カーリングは、平昌五輪の開催が決まるまでは、極めてマイナーなスポーツであった。五輪開催が決まり、ムードを盛り上げようとする中で、注目も集まり、スポンサーもついて、お金も入るようになった。

 マイナースポーツであったところに、急にお金が入ると、必ずと言っていいほど、金銭トラブルが起きる。水泳の朴泰桓のスポンサー料を大韓水泳連盟の幹部が私的に流用したこともあったし、フィギュアスケートのキム・ヨナなども、ファミリーでマネージメント会社を設立している。

 さらに冬季スポーツの場合は、ほとんどが歴史が浅く、協会の幹部や監督が、韓国におけるパイオニアということが多い。

 今回問題になっているキム・ギョンドゥ大韓カーリング連盟前副会長も、もともとレスリングの選手であったが、引退後、大学院生時代に偶然カーリングに接し、韓国のパイオニアになったようだ。

 しかしながら、平昌五輪に向け強化が進む中で、選手たちは海外遠征の機会も増え、外国人コーチの指導を受けることで、パイオニアやその一族より、実力の面でも、知識の面でも上を行くようになった。

 今回の一連の問題も、そのための嫉妬や焦りがパワハラにつながったのではないか。

 平昌五輪に関しては、開幕前からスキャンダルが多かった。朴槿恵前大統領の弾劾の出発点になったのは、冬季スポーツ英才センター設立など、平昌五輪に関する利権スキャンダルであった。

 マイナースポーツの悲哀を感じ続けてきた冬季スポーツの関係者にとっては、五輪開催のバブルによって生じる資金に浮足立つ者がいても不思議ではない。けれども、そのしわ寄せは、選手の側に行く。

 平昌五輪自体は、問題はあっても、韓国は頑張って開催した。しかしその後遺症はまだ続きそうだ。

« 韓国女子アイスホッケー、監督交代の謎? | トップページ | ポピュリズムに翻弄され、迷走する野球の韓国代表 »

スポーツ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2011181/74615654

この記事へのトラックバック一覧です: 韓国カー娘の立場を表す1枚の写真:

« 韓国女子アイスホッケー、監督交代の謎? | トップページ | ポピュリズムに翻弄され、迷走する野球の韓国代表 »