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2018年10月26日 (金)

韓国女子アイスホッケー、監督交代の謎?

 平昌五輪の話題の一つが女子アイスホッケーの南北合同チームであった。政治主導で、大会直前になって結成された合同チームには、好意的な見方ばかりではなかった。それでも、1勝もできなかったものの、短期間でチームをまとめ、十分試合にはなっていた。その中心にいた、若き女性指揮官であるセラ・マリー監督に対する評価も高かった。

 マリー監督は引き続き韓国に残ることを希望していたが、大韓アイスホッケー協会は、18歳以下韓国代表監督であったキム・サンジュンを新たな代表監督に選任した。

 実は、4月にイタリアで開催された女子アイスホッケーの世界選手権のディビジョンⅠグループB3部)を前に、代表選手のほとんどが、マリー監督が再契約されるなら、出場をボイコットするとして、集団行動に出ていた。

 ということは時期的にみて、選手たちはマリー監督に反発したまま、平昌五輪を戦っていたことになる。

 かつて韓国の女子アイスホッケーは、とても世界で戦えるレベルではなかった。北朝鮮と試合をしても、大敗していた。ただ選手がパックに集まるだけで、しかも技術がないから、相手に簡単に得点される。

 そんな韓国代表は、マリー監督が就任した4年前ごろから、確実に力をつけてきた。昨年札幌で開催された冬季アジア大会では3勝を挙げ、同年4月に江陵で開催された世界選手権ディビジョンⅡグループA4部)で優勝し、3部に上がっている。

 技術的にも進歩し、フォーメーションなどもアイスホッケーらしくなったというのが、外から見た評価だった。

 ただし、マリー監督の就任は、3つの意味で韓国ではありえないことであった。1つは外国人であること、もう1つは女性であること、さらに決定的なのは、就任時26歳という若さであったことだ。

 サッカーでは2002年のワールドカップ以来、外国人監督は当たり前になっているが、他の団体球技ではまずないことだ。

 それから女性監督も近年ようやくプロや実業団のチームで登場するようになったが、代表監督となると、男性中心である。

 さらに、年齢による秩序を重んじる韓国では、20代の監督などあり得ない。監督は頭で、手足となるコーチやスタッフが機能してこそ、しっかりとしたチームになるのは、代表チームだけでなく、高校など、アマチュアのチームでも同じである。

 韓国代表のスタッフの多くが男性であることを考えると、年下の外国人女性のボスの下では、面白くない人も多かったと思う。

 それでも異例づくしの外国人女性が監督に就任したのは、平昌五輪があったからだ。

 今日のオリンピックは、開催国だからといって自動的に出場権が与えられるわけではない。世界で戦えるレベルにあるか、少なくともレベルアップに本気で取り組んでいることを示す必要があった。

 男子のアイスホッケーは、次々と外国人選手を帰化させ、北米で実績を残している韓国系カナダ人のペク・チソン(ジム・ペク)監督の下で、急速に力をつけていた。

 マリーを韓国協会に推薦したのはペクであり、さらに言えば、ペクがカナダ代表監督であったマリーの父親から、娘を紹介された経緯がある。したがって、マリー自身には指導者としての経験はほとんどなく、最初は、この人何者?と思われたのは、確かだろう。

 そして平昌五輪が終われば、状況が変わることもあり得ることだ。1018日付の「東亜日報」には、協会の高位関係者の話として、「マリー監督が率いる単一チームが大きな話題になったのは事実だ。しかし、北京五輪に備え、長期的に国内の指導者を育てないといけないという意見も多かった。公募を通して、新しい監督を選任したもの」というコメントが載っている。

 韓国の女子アイスホッケーは、下部リーグの中で、いかに上位に進めるかというレベルであり、開催国の資格がないこれからは、オリンピック出場もなかなか望めないというのが現実だ。となると、平昌五輪までのような強化はできないし、是非論はともかくとして、マリー監督を交代させたいという韓国の協会側の事情は分からないでもない。

 でも選手はどうなのだろうか。韓国メディアによれば、マリー監督の問題として、通常試合中は、ラインと呼ばれるグループでまとめて選手の入れ替えをするが、マリー監督はラインを簡単に変えてしまうとか、練習も初歩的ものの繰り返しであったとされる。

 もちろん、若さゆえの未熟さはあっただろう。ただ、いかに若いとはいえ、アイスホッケー一家に育ち、本場でプレーしてきたマリー監督が、そうした「常識」を知らないとは思えない。

 私は、そこまで考えて試合を観ていなかったし、細かいことは分からない。ただ可能性として、選手層の薄い韓国では、ラインのやり繰りをしないと、試合ができないという面もあったのではないか。それに、初歩的な練習というのも、それが重要だからではなかったのか。

 また仮にマリー監督に大きな問題があったとしても、世界選手権のボイコットを表明するのは、アスリートとしていかがなものか。

大会ごとに地域予選が行われるサッカーなどと違い、アイスホッケーは、毎年レベルごとにグループリーグを行い、昇格、降格を繰り返す。

アメリカ、カナダなど、世界トップクラスで、選手層が厚い国なら世界選手権に出ようが出まいが、個人の自由だと思う。しかし、韓国のような国では、ボイコットは来年以降にも影響が及ぶ。 

 4月の世界選手権では2位になり、2部昇格はならなかったが、3部に止まった。ボイコットしていれば、4部に降格のうえ、ペナルティーが科せられた可能性がある。

 もし選手個人の意志だけで行われたのであれば、選手層が薄いゆえの甘えがあったのではないか。これは仮にの話ではあるが、周囲にそう仕向ける動きがあったのなら、話はさらに複雑になる。

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