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2017年1月15日 (日)

故障者続出のWBC韓国代表、もう一つの不安要素

 年が明けて、韓国でもWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に向けて本格的に動き出したが、ベテラン・金寅植監督の表情はさえない。

 ドジャースの柳賢振は故障により最初から予備エントリーから除外されていたが、加えて北京五輪で日本を苦しめた金廣鉉(SK)も肘の故障で離脱。パイレーツの内野手・姜正浩は飲酒運転で事故を起こし、守備には難があるものの打撃はいいベテラン捕手の姜珉鎬(ロッテ)も膝を痛めるなど、離脱者が相次いでいる。

 秋信守(レンジャーズ)、金賢洙(オリオールズ)といったアメリカ組も、所属チームとの関係で召集が難しい状況にある。それでなくても選手層が薄い韓国としては、かなりの痛手であることは、間違いない。

 その一方で、海外での違法賭博により、韓国球界に復帰した場合、シーズンの50%は出場することができないペナルティーを受けている元阪神の呉昇桓(カージナルス)は、最初の予備エントリーには含まれていなかったが、金監督の要望もあり、急遽メンバーに加えられた。まだ所属チームとの交渉が残されているが、出場する可能性は高い。

 しかし、同じように違法賭博をしても、韓国内でプレーしている選手はペナルティーを受けたのに対し、アメリカでプレーする呉は受けておらず、公平性に欠けるという意見や、そもそも違法賭博をした選手は、韓国代表に相応しくないという反対意見も根強くあり、議論になっている。

 それでも、選手の離脱に悩む金監督とすれば、呉は何としても加えたい選手であることは間違いない。結果が悪ければ、叩かれるのは目に見えているが、それは覚悟の上で、代表に加えるということだろう。

 韓国は第1回のWBCではベスト4に入り国民を熱狂させ、第2回では決勝戦で日本に惜敗したものの準優勝し、韓国のプロ野球人気を高めた。しかし4年前の第3回は1次ラウンドで敗退した。

 ソウルにドーム球場が完成したことにより、1次ラウンドを初めてソウルで開催する今回は、韓国、台湾、オランダ、イスラエルの中で2位以内に入り、2次ラウンドに進出することは、最低限の目標である。けれども、国際大会で実績のある台湾やオランダはもちろん、オリンピックなどに比べ出場資格条件が緩いため、ユダヤ系アメリカ人のメジャーリーガーも代表に加わるイスラエルも油断できないとあり、かなり険しい道のりだ。

 それでも、金監督は第1回、第2回のWBCの監督であるばかりでなく、一昨年のプレミア12の監督として韓国を優勝に導いており、国際大会の戦い方は知っている。しかも、普段対戦していない選手が対戦する国際大会では、思わぬヒーローが生まれる可能性もある。

 ただし、こうした代表チームの構成以外に韓国代表には、もう一つ不安要素がある。

 韓国の各球団は、例年であれば1月半ばには海外に行き、キャンプを行っている。ところが今年から非活動期間が厳密に決められ、21日からしか監督またはコーチも加わった合同練習はできなくなった。

 現在は選手個々が海外に行くなどして、自主練習を行っている。日本では当たり前のことであるが、韓国ではそうではない。かつて韓国のプロ野球で活動していた日本人コーチに、1月から続くキャンプは長すぎないか聞いたことがあるが、「韓国内では寒くて練習できないし、韓国の選手は、自分で練習するという文化が根付いていない」という答えだった。

 韓国には「合宿文化」という言葉があるほど、長期間の合宿練習はそれほど苦にしない。けれども、自主練習には慣れておらず、21日からのキャンプインはかなりの冒険だ。しかも今年はWBCがあるため、例年以上に早く仕上げる必要がある。

 韓国代表の投手陣の一部は131日にグアム移動して練習を行うが、基本的には212日から沖縄でキャンプを行い、19日に巨人との練習試合を皮切りに、実戦練習に入る。

 調整の仕方が悪いと、ここでまた新たな故障者が出る可能性がある。スポーツには、ある程度故障者で出るのはやむを得ない部分はある。しかし非活動期間が厳格になった今年からあまり続出すると、選手たちの自覚やプロ意識が問われることになる。

 前回韓国は早々に敗れたが、第1回、第2回の健闘は、調整の早さも要因の一つであった。今年に入ってからの練習の大半が自主練習である今回は、どういう仕上がりをみせるか。韓国のプロ野球選手の自覚が問われるWBCになりそうだ。

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