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2016年3月 9日 (水)

新国立競技場、着工前に計画の総点検を

 新国立競技場がなかなか落ち着かない。今度は、聖火台の置き場である。

 埼玉スタジアム2002のように、ゴール裏であるサイドに屋根のない構造であれば、問題はないが、四方を屋根で囲った構造だと、どうしても、この問題が生じる。

 思い出されるのが、1988年のソウル五輪の開会式である。全方向に屋根がある蚕室のオリンピックスタジアムでは、スタンドに聖火台を置くことができない。そのため、陸上トラックの第2コーナーの外側で、スタンドの手前に、高さ約20メートルの聖火台を設置した。

 開会式では、3人が点火するという、当時としては画期的なものであったが、五輪旗掲揚の後に放たれていた鳩が、聖火の点火によって焼死するというハプニングばかりが、記憶に残っている。

 この聖火台、開会式の後は、観客の視野を遮る、わずらわしい存在になっていた。韓国人は、国体に相当する全国体育大会の開会式でも、五輪並みに凝った演出で聖火を点火するほど聖火好きであるが、この聖火台は、あまり印象に残っていないように思う。

 屋根で覆ったスタジアムの場合、内からも外からも見える場所に聖火台を設置することは不可能に近いが、置き場はいくらでもあるだろう。聖火台の部分の屋根だけは、木材でないようにすれば、スタジアムの上部に置くことは可能だろうし、予算の問題はあるだろうが、太陽の塔のように、屋根の一部に穴をあけ、屋根から飛び出すようなやり方もあるだろう。

 一番無難なのは、サイドの1階席の一部に、野球のバックスクリーンのようなスペースを設けて置くというやり方だろう。開会式では、演奏や合唱の人たちのスペースも必要だろうから、開会式では、フィールドの中央で点火して、大会期間中は、演奏者、合唱者がいたサイドのスペースに移動するというやり方だ。

 それとも、スタジアムの中は点火用の小さな聖火台を置き、本格的なものは、絵画館前や新国立競技場を見下ろす位置にある、東京体育館の横のスペースに設置するというやり方もある。

 聖火の点火は開会式のハイライトであり、どのような聖火台を、どこに置くかなどは、つまびらかにする必要はない。

 とういえ、今回の騒ぎの根本は、組織委員会も日本スポーツ振興センター(JSC)も、責任を転嫁し合い、しっかりとした想定をしていないことにある。

 2年前の仁川アジア大会や2018年の平昌五輪では、組織委員会、自治体、行政にまとまりがなく、意思の疎通がないまま勝手に動いたり動かなかったりしたことから、多くの問題が生じた。日本ではそういうことは起きてほしくなかったが、どうも五十歩百歩のようなところがある。

 これから着工までにやるべきことは、改めて、開会式や競技のしっかりとしたシミュレーションをして、総点検をし、それを関係者で共有することだ。

 外苑という、都会の一等地ながら、限られたスペースに、巨大なスタジアムを作る以上、様々な問題が起きる可能性がある。それに木材を主な材料とする以上、開会式などで、屋根に設置した装置から、花火を出すことは可能なのかも気になる。

 いずれにしても、何事も分かっているはずだを廃し、様々な想定をしておく必要がある。

 

 

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